トラウマから回復して退屈になった!

カウンセリングオフィスKANASAは、トラウマ治療を専門におこなっているところです。

「トラウマとは言えないんですけど・・・」と申し訳なさそうに話すクライエントさんがいらっしゃいますが、当オフィスにカウンセリングを求めていらっしゃる方は、何らかのトラウマを抱えている人たちです。

トラウマには、命の危機を感じた体験ーLarge T(以下Tとします)のトラウマと、命の危機を感じる程ではないが嫌だった体験ーSmall t(以下tとします)のトラウマがあります。
前出の「トラウマとは言えないんですけど・・・」とおっしゃった方は、t体験をトラウマとは言えないと思っていらっしゃったわけですが、
事件、事故、自然災害、虐待などのT体験だけでなく、”妹だけ可愛がられた、兄だけ大切にされた”等、
兄弟姉妹間における親の対応の違い、親の諍いを見て育った、母親から父親の愚痴を聞かされて育った等のt体験も深い心の傷となります。

その心の傷は、人間関係が上手くいかない、感情コントロール困難、人を信用することができない、仕事が長続きしない、不眠、疼痛、強迫行為、鬱、適応障害、パニック発作となって現在に存在し続けることがあります。

考え方を変えよう!、気持ちを切り替えよう!と努力してもなかなかできるものではありません。なぜなら、深い心の傷は脳の深い部分にあるからです。
脳の深い部分にアクセスするトラウマ治療によって回復されたクライエントさんがよくおっしゃることは、
「退屈になった」*1、「つまらない」*2、「目の前がクリアになった」、「なんでそんなことに拘っていたんだろう」、「今、十分幸せじゃないか!」、「他の人たちってこういう感覚で生きていたんだ」等々です。
上述の*1,*2は、今までこの世は危険に満ちていて、それを回避することに多くのエネルギーを注いでいたのが、そうする必要がなくなり、時間を持て余している様子です。
興味深いですよね。